引田康英の九品塾選択講座:歴史人物にまなぶ年齢適活三講
個々の伝記等以外に利用した文献リスト
A 「日本史を変えた人物200 人」
B 「日本史重要人物101」
C 「この人どんな人」
D 「没年日本史人物事典」
E 「人物日本歴史館」
F 「日本の群像」
G 平凡社百科事典
a 中公シリーズ「日本の名著」
b 新潮日本美術文庫
c 新潮日本文学アルバム
e 「本朝医人伝」
f 加来耕三「創始者の研究」
g 山田風太郎「人間臨終図巻」
h 「目でみる日本人物百科」
i 「女たちの20 世紀・100 人」
j 歴史有名人の死の瞬間
k 「音楽界戦後50 年の歩み」
l 「江戸・東京を造った人々」
m 「なにわ人物譜」
n 「江戸大名データファイル127 人」
o 「王朝の歌人たち・中世の歌人たち」
p 「100 人の20 世紀」
q 日本の古典名著
r 「日本の女性」
三省堂「コンサイス日本人名事典」
山川「日本史人物辞典」
東京堂「(新版)世界人名辞典~日本編」
朝日新聞社「現代日本朝日人物事典」
朝日新聞社「日本歴史人物事典」
吉川弘文館「日本近現代人名辞典」
吉川弘文館「日本近世人名辞典」
吉川弘文館「日本古代中世人名辞典」
新人物往来社「鎌倉・室町人名事典」
新人物往来社「戦国人名事典」
日本図書センター「日本女性人名辞典」
三省堂「日本芸能人名事典」
東京堂「江戸文人辞典」
東大出版会「日本近現代人物履歴事典」


はじめに
1:同一スタイルで作成した年譜集
まず,各種の人名辞典や年譜の記載されている文献,伝記や評伝,さらにはインターネットなどによって,できる限り様々な人物を取り上げた。人名辞典は時代や編者によって,人物が意図的に拾われたり落とされたりしていること,年譜のある人物は,作家や政治家などに偏っていること,時代小説など,一見評伝風ながら,人物の善悪のイメージや年齢などが創作されていること,さらに,男性中心社会として,女性の役割が過少に見られている(北条政子などが端的な例)ことなどに注意を払い,意識的に偏りを排除するように心がけ,現在までに3,635人の年譜を作成するに至っている。
次に,それぞれの人物を並べて対照できるように,第2論で設定した年齢段階に応じ,9年ごとにマークが入る形で,原則的に1年1行の形に整理し,記載無い年を空白行にして,等間隔になるような年譜にした。重要と思われる部分,それぞれの人物が何歳頃に目覚めたり出会ったりして飛躍し始め,何歳頃に成果を出しているかなど,手に取るように分るように強調表示,さらに,人物の年齢段階と時代状況との関係がすぐに掴めるように,日本史話のⅡ:時代循環のパターンのところで示した西暦年に対応するエポックを記載,どんな時代に生まれ育って,どんな時代に活躍したかなどが手に取るように分るようにしたので,人生設計に役立つもの,少なくとも自分史の作成の参考になるものと思われる。
生没年その他年齢については,山田風太郎が「人間臨終図巻」で述べているのと同様,誕生日や死亡日に関係なく,陰暦についても,元号変更日に関係なく,単純に西暦年を採用,死亡年齢など食い違う場合もあるが,満年齢と数え年齢の関係などからも,ほぼ問題ないと考える。つまり,すべての西暦年と年齢について,「ほぼ」「頃」として見て貰いたいということである。
作成してみてわかったのは,江戸時代以前の方が人生・家族のあり方に大きな幅があること,とくに優秀な後継者を育てる上で養子の有効性が高いこと,また女性でも,北条政子を代表に男性のトップにも優れる人物がいることをはじめ,人生パターンの多様ぶりであり,是非参考にして貰いたい。
なお,伝記や評伝は,図書分類では独立しておらず,正確にいえば,図書館で使われている日本十進分類法(NDC)には,一応,個人伝記の分類があるが,時代小説にもでてくるような歴史的人物が大半で,哲学者や宗教家,芸術家やスポーツ,諸芸に関わる人物,詩人やいわゆる作家などは,それぞれの分類のなかから見つけなくてはならないため,これから成長して行こうとする子供や,定年後どう生きて行こうかとする大人たちが歴史上の人物の生き方を発見する機会が少なく,伝記図書館のようなものも必要ではなかろうか。
年譜のサンプル

⇒コラム(個々の伝記等以外に利用した文献リスト)
書庫では,五十音順に3回に分けて,月ごとに順番に公開している。
>一枚年譜書庫へ
2:年譜集のデータベース化
この3,635人の年譜集をもとに,各人物について,その姓のよみの五十音順に,「Ⅰ:活動を究める」「Ⅱ:年齢を踏まえる」のところで述べたものを中心に,次にような項目順でデータベース化した。
・人物名:漢字で表記,姓名の間の空きはとっていない。江戸時代以前には一般民衆には苗字はなかったとされるが,公的に使用することを許されなかったということであり,本当に無かった場合には,地名が苗字の役割をしている。
・よみ:漢字では読み方が分からないものが多いので当然であるが,五十音順に並べるためのものでもある。
・活動:年譜集の人物のところにつけた活動一行紹介をそのまま記した。
・分野:「Ⅰ:活動を究める」のところで示したもの。
・型:その分野での主たる活動の型。
・サブ型:ほかに目立つ活動があれば,分野のローマ数字とカッコ内にその活動の型を示した。
・サブ型2:さらに,別に目立つものがある場合に示した。
・生年:西暦年(近世以前のものは1年前後するものもある)・生年不明のものは年譜作成できないため除外し,没年不明は空白。
・没年:
・享年:誕生日や死亡日に関係無く,単純に没年から生年をマイナスしたもので,数えと満年齢平均に近いが,公表されているものと1歳食い違う場合がある。山田風太郎「臨終絵巻」の後書をそのまま引用したい。
・活動時期:年譜の左欄に,時代のできごと示してどんな時代に生きていたか分かるようにしているが,主に活動していた日本史話三講のⅡ:時代循環のところで示した時代区分によっている。
・時期ピーク:とくに集中的に活動のあった場合に記した。
・活動段階:活動していた年齢ステージを,独自の年齢段階で示した区分を用いて記したもの。
・段階ピーク:時期ピークと同様,とくに集中的に活動のあった場合を記した。
・エポック年齢とその間の年数:一枚年譜で強調した色をつけた,登場・確立・到達あるいは転換・退場する年齢とその間の年数を記したもの。
・登退場年齢パターン:登場年齢と退場年齢を基準にパターン化したもの。
・登場への道:生育・素質・意志・人脈・組織・時運のうちから,登場に至る要因となったもの。
・登場契機:直接的な契機になったことを類型化して,該当する型を記したもの。
・活動パターン:登場から退場までの活動を,山登りにたとえて分類し,該当するものを示した。
・退場理由:登場契機と同様,退場した理由を類型化し,該当する型を示したもの。
・死様:おなじく享年にもとづく区分と死因にもつづく区分を一つにして記したもの。
・生地:年譜作成にあたって知りえたものを,地域区分して記したもの。
・女性:ハンディキャップの最たるものともいえるものかもしれない。
・ハンディ:誕生時あるいは幼時からのもので,活動上のハンディキャップになるもの(身体のみならず部落差別なども)を記す。
個々の項目についての詳しい解説は,目次で該当しそうなところを,読んで貰うしかないが,とりあえず,データベースの表を示して置くので,読後の確認はもちろん,自由に活用して頂きたい。>年齢適活年譜リスト(EXCEL)
3:データベースの活用
このデータベースをもとに,さまざまな人生パターンがあることを明らかにして,老若男女どんな人についても,これからの人生設計に役立つことはもちろん,思わぬ人物の発見,さらには自らの人生を振り返る自分史をまとめることなど,それぞれにおいて活用されることを願い,以下のような内容でとりまとめてみた。
Ⅰ:活動を究める
1:活動分野型の捉え方(リスト)
2:時代が人を創る(歴史)
3:注目されるデザイナ的人物
Ⅱ:年齢を踏まえる
1:年齢段階のとらえ方(ライフステージモデル)
2:年齢と活動(登退場パターン)
3:人生として捉える(誕生から登場,退場から死)
Ⅲ:人生を企てる
1:高齢化への対応
2:若い人の人生設計のために
3:さまざまな壁の乗越え方